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パビリオン建設遅れの大阪万博、残業上限の「例外」要請…働き方改革に逆行と反発も予想

2025年大阪・関西万博の建設工事について、運営する日本国際博覧会協会(万博協会)が、来年4月から建設業に導入される時間外労働の上限規制を適用しないよう、政府に要請したことが分かった。海外パビリオンの建設準備が遅れており、工事を加速させるために必要と判断した模様だ。一方で、政府の働き方改革に逆行するとして反発を招く恐れもあり、実現するかは不透明だ。

万博会場の夢洲(3日、読売ヘリから)
万博会場の夢洲(3日、読売ヘリから)

 時間外労働の上限規制は、19年施行の改正労働基準法で導入が決まった。建設業は5年間の猶予期間があり、「2024年問題」と呼ばれる。来年4月から原則として年360時間を超える時間外労働ができなくなり、労使で合意した場合でも年720時間以内に制限される。

 災害復旧など臨時の必要がある場合に、規制の適用を除外する規定はあるが、政府内では万博は該当せず、労働基準法の改正が必要になるとの見方が強い。

 今回の万博協会の要請を受け、政府関係者は「実現するかは分からないが、考えないといけない」と述べ、慎重に検討を進める意向を示した。

 万博では、約50の参加国・地域が独自に建てる「タイプA」と呼ばれるパビリオンの出展を検討しているが、建設に必要な許可申請は27日時点でも大阪市に出ていない。建築資材の高騰や複雑なデザイン、人手不足などから建設業者が受注に慎重になっているとの見方がある。そうした中、時間外労働の上限規制が適用になれば人手がさらに 逼迫ひっぱく し、開幕に間に合わなくなるとの懸念が強まっていた。

 ゼネコン各社でつくる日本建設業連合会の宮本洋一会長は今月21日の記者会見で、「今の段階で24年問題を棚上げしてくださいとは申し上げられない」としつつ、「それも頭に置いてもらわないといけない」と話していた。

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